株価って何で決まるんでしょうね?将来への成長への期待が株価を形成するって言われてもピンときません。結局、将来にわたって配当をもらい続けることが出来る権利こそが、株を持つことの意味だと思っています。世の中には、理論株価の計算方法が色々ありますが、今回は、この配当に焦点を当てた方法について、考えてみます。
P=Di/R
P:理論株価
Di:配当
R:期待収益率
Rには、WACC(加重平均資本コスト)を用います。
WACC= D/(D+E)×rd×(1-T)+E/(D+E)×re
D:有利子負債価値
E:株主価値
rd:有利子負債コスト
re:株主資本コスト
T:実効税率
え?この式の意味ですか。。。
Don't think, feel!
とは言え、こんな式を並べられても、使い方がわかんないと意味がないです。
トヨタ自動車の2017年第3四半期決算短信を用いて計算例を示します。
決算短信はここ↓からダウンロードしてください。
http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/financial_results/
四半期連結貸借対照表を見ます。以下単位(百万円)です。
短期借入金:5,364,889
一年内返却予定の長期借入債務:4,200,035
長期債務:9,881,275
有利子負債価値Dは、上記の和です。
D=5,364,889+4,200,035+9,881,275=19,446,199
続いて、有利子負債コストrdも計算しちゃいましょう。
今度は、四半期連結損益計算書を見て、
支払利息:19,588
有利子負債コスト(rd)=支払利息/有利子負債×100=19588/19446199×100=0.10(%)
株主資本コストreについてですが、これまた、ややこしい。
rf:リスクフリーレート
β:個別企業の不確実性
rm-rf:株式リスクプレミアム
として、株主資本コストreは
re=rf+β×(rm-rf)
リスクフリーレートrfには、日本国債金利(10年)適用して、
rf=0.016(%)
βは市場全体の株価の変動に対して、その個別の企業の株価の変動割合です。
msnマネーで企業株価を調べると出てきます。
β=1.12
株式リスクプレミアムは、リスク資産である株式には、安全資産で運用した場合に比べ、より高い利回りが期待されますが、その差を表しています。
具体的には、過去の国債利回りとTOPIXの利回り(値上がり分+配当)の平均値の差を用いたりもしますが、ここでは5%を用います。
rm-rf=5(%)
株主資本コストre=0.016+1.12×5=5.616%
株主価値Eは、株式の時価総額(株価×発行済み株式数)で、これはYahoo ファイナンスを参照してください。
株主価値E=19,104,850
実効税率Tは、30%を適用しましょう。実効税率は法人税、外形標準課税もろもろを含んで、利益に対して全部でいくら税金がかかるかって奴ですね。昔は40%だったのですが、アベノミクスですね。。。
T=30(%)
さあ、これでWACCが計算できます。
WACC= D/(D+E)×rd×(1-T)+E/(D+E)×re
= 19,446,199/(19,446,199+19,104,850)×0.10×(1-30/100)+19,104,850/(19,446,199+19,104,850)×5.616
=2.82(%)
これに対して、昨年のトヨタの配当Diは210円。
理論株価P=210/2.82×100=7450円
現在のトヨタの株価は、5855円だから、あれあれ?めっちゃ割安。
配当水準から見るとお買い得ですね。これは。
しっかし、WACC算出を今回は追いかけてみましたが、思うことが色々。。。
このご時世にあって、大企業は実効税率が引き下げという優遇を受けて、その上、金利もこれ以上ないほど引き下げられているので資金調達も容易です。しかも、世界一勤勉な日本人を安い給料で雇用できるという好条件にも恵まれています。それなのに、なぜ日本だけが低成長にあえいでいるのでしょう?
経団連の皆々様には、これまで成長を実現することも、そのビジョンを示すことも出来なかった責任を取って、その場で切腹してもらいましょう。
その上で、企業は労働者と株主に成長の対価をもっと積極的に還元していくべきと思いました。
あ、トヨタ自動車は、よくやっていると思いますよ。
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