2023年9月5日火曜日

VOX バンガード米国通信サービス分析

  新NISA、成長投資枠に何に投資すべきか色々考え方はあるのでしょうけど、高配当でも、国際分散投資でもなく、成長が期待出来るセクターへの投資に使うのが良いと考えています。

 日米に半々で投資していこうと思いますが、米国に対しては、VGT(バンガード米国情報技術セクターETF)と、googleを購入するつもりです。

 なのですが、入れ代わりの激しいテクノロジーセクターに、いくらgoogleとはいえ個別株を入れていいものなのか、どうか。10年先でもgoogleは覇権企業として存続しているのか。それは神のみぞ知る、、、な訳ですが、そういえばgoogoleを含んだETF,VOXを購入するという手があることに気づきました。

 てなわけで、VOXをVGT,VOOと比較してどうなのか、調べてみました。


 上位10銘柄の全体に占める割合は、VOO:30.5%、VGT:60.8%、VOX:67.4%です。VOOに比べると、VGTとVOXはかなり集中投資となっています。

 各ETFの構成銘柄について詳細に見ていきます。

 売上高成長率は企業の成長力を、売上高利益率は企業の競争力を表していると考えまして、横にらみします。直近1年、および5年分の平均をそれぞれ以下に示します。


まずはVOOです。


 加重平均は、VOOの上位10銘柄のについて構成比率を加味した平均値を取っています。加重平均と単純平均が近いという事は、銘柄間の差が小さいことを意味します。

 それにしても恐るべし、S&P500です。売り上げが毎年20%伸びて、しかも利益率が20%あります。しかもこれが単年度のことではなく、毎年これだっていうんだから、、、異常です。米国が覇権国家であることの象徴です。これがいつまで続くのかは分かりませんが、資産運用において、これ以上の最適解は存在しないと言っていいんじゃないでしょうか。

 しかしS&P500のリターンにすら満足できないのが人の性。まさに強欲。VOOを上回るリターンを狙うならVGTです。

 では、VGTの詳細を見ていきます。




 流石VGT。世界をけん引するメガテック企業です。日本企業では利益率が一桁がざらなのに、こちらは20~30%がスタンダード。VGTはVOOを上回る値上がりを示していますが、決して裏付けのないものではありません。でも、売上高の伸び悩んでいるような。。。


最後にVOXです。


 利益率は良いですね。でも、銘柄間で差が大きいです。やはり、通信インフラの成長率はテック企業に比べると、厳しいものがあるんでしょう。

 うーん、VOX、悪くは無いのですが、やはりETFでもつには、今一つな銘柄の比率が高すぎます。管理する手間がありますが、このセクターは優良銘柄を個別に保有した方が良いかなぁ。

ではでは~


2023年7月19日水曜日

荒ぶる為替 ドル円相場の傾向と対策

  つい先日、1ドル145円に達して、もうすぐ150円も視野に入ったかと思っていたら、気付いたら138円。僅か2週間で7円の円高、雑な展開ですが、今後も米国の景気動向と日銀に対する思惑で、為替は乱高下しそうな予感がします。

 となった場合、毎月米国株に投資している身としては、無駄だと分かっていても、少しでもお得にドル転したいと考えるのが人の性。いつ、どれだけ上下するのかは分からなくても、それが、相対的に割高なのか割安なのか、せめてそれを考えて、自分で納得して売買したいものです。

 今回は、ドル円と日米の金利、日米のマネーストックの関係について、まとめてみようと思います。

 よく言われるとのは、ドル円は日米の長期国債の利回りの差と相関がある、とされています。ではその関係を見ていきます。

 ドル円は月足の終値、国債利回りは、日本は財務省のHPから、米国はFREDのHPから引っ張ってきました。

 ちなみにドル円の月次の変動率の標準偏差 1σ=3%でした。あわせて、そこから導かれる日次の変動率の標準偏差 1σ=0.7%。年次の変動率の標準偏差 1σ=10.2%。となります。

 このデータをもとに米国債券利回り-日本国債券利回りと為替を比較しますと、、、

 ふむ。R^2は、0.5以上で強い相関があるとされますが、0.3以上ですので弱い相関になります。まあピッタリとはいきませんよね。

 日米金利差とドル円の散布図から、近似式 8.538×日米金利差+88.389 が導かれましたので、実際のドル円の推移と比較しますと、、、

 やはり、上下に乖離してしまいますが、大きな流れは一致しています。月次の乖離率の平均は0.1%です。同じく乖離率の標準偏差は、1σ=37.4%(年次)、1σ=10.8%(月次)、1σ=2.4%(日時)でした。

 金利差とドル円の散布図から見ても分かる通り、2σ=21.6%は見た方が良いでしょうから、近似式 8.538×金利差+88.389 から、21.6%程度、色々な思惑で乖離する。そんな所ですね。


 続いて、日米のマネタリーベースと、ドル円の関係を見ていきます。まずは日米の中央銀行、日銀とFRBの供給した資金供給量マネタリーベースです。

 米国は2008年から、日本は2012年から、すごい勢いで資金供給しています。これが金融緩和ですか。にしてもこのお金は何処に行ったんでしょうね?少なくとも私のお財布の中身はこんな勢いでは増えていません。不思議です。

 この日米のマネタリーベースの比が、理論的には、そのままドル円の為替レートになる。とされています。では、実際のドル円の動きと、マネタリーベースの比の動きを比べてみます。


むむむ、相関があんまり無いような。。。

散布図で見ていきます。

 R^2は0.38,弱い相関があると出ました。でも、2008年からの乖離率が60~80%に達するのを見ると、国債利回りの方が為替レートに直接影響を与えていそうです。やはりマネタリーベース⇒国債利回り⇒為替レートの順番で影響が伝わっていく、そう考えるべきという事なのでしょう。

 じゃあ、今後の見通しですね。FRBは年内、後二回の利上げ行うとアナウンスしていますが、市場はあと一回であることを期待しています。現在の米国10年国債利回りは3.8%、一回の利上げなら4.05%、2回で4.3%と推測されます。対して日銀の方ですが、現在の日本国債利回りが0.5%として、半年後に利上げに転じる状況になっているとは思えませんが、人の話をよく聞くキッシーが、いらぬ口出しをしてしまう可能性も無きにしも非ずで、+0.75%も想定できます。そうした場合、日米金利差を基にした近似式によって、下表の為替レートが予想されます。

1ドル117.6±3.2円となりました。

 現状の実際の為替レートば138.7円で、対して近似式では1ドル116.6円。乖離率は+20%です。乖離は色々な思惑から発生しており、何か大きなイベントでもあれば近似式の値に収束するかもしれませんが、そこは予想不能です。現状維持の場合は、乖離率もそのままで+20%。やや円安是正に動くなら+10%と見込みますと。。。

1ドル141.1±3.2円(乖離率+20%)、もしくは1ドル129.4±3.2円(乖離率+10%)

といった所でしょうか。現在の為替レートも少し先を見据えて動いているという事を考えると、まあ、現在の為替レート138.7円とほぼほぼ一致していて、市場関係者の考える予想と一致しているのかな、と納得した次第です。


 ではでは~

2023年7月3日月曜日

保有資産棚卸 2023年6月末

  気づいたら今年も半分が過ぎてしまいしましたので、ここで資産状況を確認です。

 2023年前半、米国は景気冷え込みを懸念する声の中でも、インフレ抑制をのため淡々と金利引き上げを続けました。対して我が日本は、長期金利は相変わらず低く抑え続けられ、年初からジワジワ円安が進んで1ドル144円です。

 悪い円安?何ですかそれ?

日本企業は史上最高の好決算。日経平均もバブル崩壊以降で最高値。止まり続けていた時間が30年ぶりに動き出した。そのように感じます。

 まあ、確かにガソリン代やら電気代には目ん玉飛びだすほどの衝撃だったりしますが、それも原発を動かすなりすれば、落ち着くところに落ち着くでしょう。物価は毎年上がり続けるのが普通なんです。

 米国株を買いにくいのが、玉に瑕。。。

さて、我がポートフォリオの概況です。

ドルは円に換算しています。(1ドル144.32円)

種別2023年6月末2022年12月末目標PF
1長期国際分散投資21.3%18.9%30%
2日本応援投資8.2%8.2%5%
3高配当株投資34.0%32.5%30%
3a日本高配当ETF7.4%6.8%
3b日本高配当個別株6.5%5.6%
3c米国高配当ETF12.0%12.4%
3d米国高配当個別株8.2%7.7%
4REIT3.7%5.8%5%
5航空宇宙防衛セクター投資20.2%21.5%10%
5a投資信託3.5%3.4%
5b日本個別株9.6%9.8%
5c米国個別株7.2%8.3%
6その他色々投資7.6%8.2%15%
7金・プラチナ・待機資金5.0%4.8%5%

 円安効果もあって、ドル資産も円資産も最高値、含み益も結構なことになりました。わーい。でも、これとて一時の事。常にフェーズは変わり続けます。目標ポートフォリオに対する乖離も見受けられますし、次代の成長を見据えて、投資戦略を考えていきます。

 中身を見ていきます。は毎月購入銘柄。赤字は新規購入銘柄です。

1.長期国際分散投資

種別銘柄コード銘柄構成比率
1投資信託☆セゾン・グローバルバランスファンド7.3%
1投資信託☆セゾン資産形成の達人ファンド13.8%
1投資信託☆eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.2%

 えー、ここが我がポートフォリオの基盤、柱となる長期国際分散投資なんですが、セゾン投信さんの例のお家騒動で、私の心の方がグラグラになっています。ネットを見ていると結構な方が、この機会に手放してしまう方もいる模様。私はというと当面は積み立て投資を継続します。中野さんが居なくなってしまうのは、とても残念ですが、それで手放してしまうのは『正しい投資行動』とは言えないでしょう。確かに近年の有力インデックスファンドに比べて信託報酬率は、割高になってきましたが、それもファンドを持続可能に維持するための手数料として納得して購入してきました。GAAFAMが市場を支配する近年の相場では、やや冴えませんでしたが、それまでは奇跡的なパフォーマンスを発揮していました。ファンドの方針に変化が見られない限り積み立ては継続しようと思います。

 ただ、この騒動で投資信託会社も分散しておいた方がいい、そう思ったので、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスを組み入れます。多くの国々に分散するという考え方は納得はしますが、専制権威主義国家に自分の大切な資産を投資するのは、心情的に抵抗があります。国連でウイグル人権問題に対する中国非難声明、支持する国は世界では少数派という現実は重いです。

 自由で民主的な国の方が、より創造的で革新的なテクノロジーが生み出されやすいでしょう。人類のより良い革新のために、価値観を共有できる国々に投資したいと考えた次第です。

2.日本応援投資

21483☆IS設備・人材投資0.6%
2投資信託☆セゾン共創日本ファンド1.3%
2投資信託結い21013.6%
2投資信託ひふみプラス2.7%

 この半年で日経平均は27000から34000と25%の急騰です。何ですが共創日本ファンド以外は全然付いていけていません。デフレ時代の申し子たるファストリ、ソフバンが上位に居座る日経平均、その日経平均を打倒するために選んだファンドなのに。グヌヌヌ。

 一層の奮起に期待です。

3.高配当株投資

3a1478ISMSCI高配当ETF6.5%
3a1651☆IF TPX高配当400.9%
3b4188三菱ケミカルグループ0.4%
3b4765SBIグローバルアセット0.2%
3b5020ENEOSホールディングス0.3%
3b7240NOK0.5%
3b8031三井物産2.5%
3b8306三菱UFJフィナンシャルG1.2%
3b8593三菱HCキャピタル0.8%
3b9503関西電力0.4%
3cHDViシェアーズ コア米国高配当株 ETF4.1%
3cPFFiシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETF2.4%
3cVIG☆バンガード・米国増配株式ETF1.9%
3cVYMバンガード・米国高配当株式ETF3.6%
3dABBVアッヴィ0.5%
3dCSCO☆シスコシステムズ0.4%
3dCVXシェブロン0.5%
3dGSK☆GSK PLC0.2%
3dIDA☆アイダコープ0.3%
3dKOコカ・コーラ0.6%
3dMCDマクドナルド2.5%
3dMOアルトリア・グループ0.5%
3dMRKメルク0.6%
3dPGプロクター・アンド・ギャンブル1.5%
3dPKG☆パッケージングコーポレーション・オブ・アメリカ0.4%
3dVZ☆ベライゾン・コミュニケーションズ0.2%

 もう一つの柱。高配当株投資です。目標30%に対して、日本株の続伸を受けて34%まで伸びてきてしまいました。来年の新NISAは、成長株投資で埋めていこうと考えており、高配当株はしばらく控える予定です。

 ですので目標をオーバーシュートしていますが、年内は毎月配当月作戦のため米国個別株を継続して積み立てていこうと思います。

4.REIT

41476Iシェアーズ・コアJリート1.8%
41659☆IS米国リートETF1.4%
42556☆ONEETF東証REIT0.4%

 REITは冴えません。金利が上がる局面では賃貸収入の利回りでは付いていけない訳ですね。いずれは利回りも追いついてくるでしょうし、ここはお買い得だと考えて淡々と積み立てていきます。

5.航空宇宙防衛セクター投資

5a投資信託eMAXIS Neo 宇宙開発3.5%
5b6701日本電気1.6%
5b7011三菱重工業3.1%
5b7012川崎重工業1.7%
5b7013IHI1.8%
5b7270SUBARU1.3%
5cBAボーイング1.4%
5cGDゼネラル・ダイナミクス1.2%
5cLMTロッキード・マーチン2.3%
5cNOCノースロップ・グラマン1.5%
5cRTXレイセオン・テクノロジーズ0.7%

 私のポートフォリオの最後の柱、航空宇宙防衛セクターです。米国個別株の方が今一つ冴えない半年でしたが、日本電気、三菱、川崎が好調でした。それとSUBARUは少し手放しました。リバランスです。

 開戦から1年以上経過していますが、未だ終わりが見えません。西側自由主義国は侵略国の意思と能力を、この機会に徹底的に叩き潰す覚悟です。規模で劣勢のウクライナが、なお継戦できるのは米国を始めとした西側の先進的な軍事技術があってこそ。自由を守る防衛関連企業を私は支持します。

6.その他色々投資

61655☆ISS&P500米国株1.0%
62467バルクホールディングス0.2%
64264セキュア0.6%
64751サイバーエージェント0.2%
65411JFEホールディングス0.5%
67203トヨタ自動車0.5%
67224新明和工業0.3%
67844マーベラス0.3%
67921TAKARA & COMPANY0.5%
68101GSIクレオス0.5%
68739スパークス・グループ0.4%
69508九州電力0.2%
6AGGiシェアーズ コア米国総合債券ETF1.1%
6GOOGアルファベット クラスC0.0%
62897日清食品HD0.1%
63635コーエーテクモHD0.0%
66758ソニーグループ0.1%
67269スズキ0.0%
67832バンダイナムコHLDGS0.0%
67974任天堂0.1%
69432日本電信電話0.5%
69602東宝0.1%
69684スクウェア・エニックス・HD0.1%
69697カプコン0.1%
69766コナミグループ0.1%

 ここは大分銘柄が変わりました。一番大きいのは1389 UBS英国大型株100が上場廃止となるので売却したことですかね。それと2640グローバルX ゲーム&アニメ日本株式ETFも売却しました。代わりに組み入れた上表の赤字銘柄です。楽天証券も単元未満株の扱いが始まったという事もありまして、憧れの任天堂、ソニーを購入しました。

 ゲーム銘柄、調べてみると、こんなに利益率高いんですね。めっちゃ優良企業なので驚きました。そんなことがあったので、来年の新NISAに組み入れていこうと考えた次第です。

7.金・プラチナ・待機資金

7コモディティ☆マイ・ゴールドパートナー 金1.3%
7コモディティマイ・ゴールドパートナー プラチナ0.8%
7キャッシュ米ドル0.1%
7キャッシュ日本円2.8%

 プラチナ手放そうと思っていたのに、気付いたら、また価格が下がってしまっているし、きー、悔しい。


 リセッション入りが囁かれる中、SP500は年初来+16%上昇です。危機は去ったのか、持ち越されているだけなのか、どうにもスッキリしません。買えば下がる気がするし、買わなければ市場についていけません。

 ここは、ポートフォリオのリバランスを図って、来年の新NISAに備えます。

新NISAの年間投資枠360万円は、私の入金力のほぼ全力です。そして新NISAは成長株投資で埋める予定です。ですので今のうちに適切なリスク許容度になるよう、ポートフォリオのリバランスを図っていくのが吉と考えます。

 長期国際分散投資にオーバーウェイト。そしてミニ株を利用した新鋭成長株ポートフォリオの拡充を図っていきます。