2017年5月22日月曜日

全てはランダムウォークの向こう側

 久しぶりの更新になりました。連休挟んで、ワタワタしている内に、もう5月も下旬ですね。
 4月は、じわじわ円安ドル高ペースで、あー、しばらくはドルは買えないなぁと思ったら、ここで突然のドル安です。
 じゃあ、ここでドルでも買ってみようかと思ってみたものの、もう少し待ったら、もうちょっと安くなるんじゃね?と、欲が出てきたり、そう思っている内に、あれよあれよとドル高に振れたり。。。

 いつ買ったら、お買い得なのか、何かモノサシになるものはないかと考えてみました。
 しがないサラリーマンであれば、運用と言っても、お給料の一部を積み上げるのみ。いくら長期投資といえど5年10年とチャンスを待ち続ける訳にはいきません。年に数回あるだろうドル安のチャンスを拾いにいくしかありませんね。
 期間を1年間に区切って、年始の始値を100として、どの程度変動するのか見てみます。
元データは1997年から2016年までの月ごとのドル円の『始値、安値、高値、終値』を用いました。グラフは見やすくするために、安値と高値の平均値でプロットしています。
どうでしょう?時間経過とともに発散して、年始に対して、最大+20%、最小-18%が年度末の12月に出現しています。待てば待つほど得かもしれないし、欲張って待ち続けても、実はその年のチャンスはとっくに過ぎ去ってしまっているかもしれません。

なお、元データは、20年分の月足ドル円について、『始値、安値、高値、終値』を、まとめたものです。年始の始値を100とした場合の、平均値、標準偏差、最小値、最大値ですが、次の通りでした。
・平均値:   μ=100.52(%)
・標準偏差:σ=6.78(%)
・最小値:   MIN=77.99(%)
・最大値:   MAX=121.56(%)

 統計的には、±1σにいる確率は68%、±2σで95%、±3σで99.7% ですね。
年始から-6.78%ドル安に振ったところで買えば、統計的には上位16%ですから、かなり良いポイントで買えたことになります。ただ、そんなに下がったのは、20年の内、11年しかありませんけど。。。

 全てはランダムウォークの思し召しといった所でしょうか。結局、先読みまでは出来ませんけど、時間経過とともに発散していく為替が、歴史的な推移に比べて、どの水準にいるのかを見定められるように、次のようなグラフを作ってみました。




元データは、さっきと同じ、1997年から2016年までの月ごとのドル円の『始値、安値、高値、終値』です。年始の始値を100として、1~3月まで、1~6月まで、1~9月まで、そして1~12月までの標準偏差を求めてプロットしています。

・1~3月度 :1σ=4.09%、2σ=8.18%、12.26%
・1~6月度 :1σ=5.08%、2σ=10.16%、15.23%
・1~9月度 :1σ=5.75%、2σ=11.49%、17.24%
・1~12月度:1σ=6.78%、2σ=13.55%、20.33%

このグラフと、今の為替水準を見比べてみましょう。
 5/19日時点で、1ドル111.23円。本年の始値は116.91円で現在、-4.9%の水準。
半年でほぼ-1σの領域。上位16%の水準に差し掛かった所で、もう十分お買い得水準と言っていいでしょう。

さあ、どうする?