2024年11月10日日曜日

アベノミクスを終わらせない その4 失業率とインフレ率

 2024年の選挙イヤー。最大のイベント米国大統領選挙は共和党のトランプ氏の圧勝で終わりました。対する日本は衆院選にて、勝敗ラインとした過半数を自公は割り込んでしまいました。それでも石破総裁は居座りの構えで、明日にも首相に指名される見込みです。
 トランプ氏の経済政策と安全保障政策が世界をどう揺るがすのか、その姿が現れるのはもう少し先ですけど、今現在の経済状況を自分なりにまとめておこうと思います。
 現在の焦点は、日米ともにインフレがどうなるかです。パンデミックとウクライナ戦争に起因する中国やロシアとのデカップリングは、引き続きインフレ要因です。相対的にインフレ率の低かった日本は、円安が進んでしまいエネルギーコストを中心としたインフレを招いています。

 インフレ率は失業率と相関があり、金融政策は失業率を抑制する役割があります。でも何故か日銀はインフレ率は語っても失業率に着目しての金融政策が語られません。それどころか円安阻止のために金利を上げようとする始末。日銀の独立を謳われていても政権の都合で動かざるを得ないことを考えると、これは政府の問題。そして、そんな二流の経済政策を許した国民の責任でもあります。

 日米ともに、今時は簡単にデータを入手できます。自分でインフレ率と失業率を調べて、フィリップ曲線を描いてみようと思います。まずは日本です。元データはこちらから、完全失業率と消費者物価指数を入手します。 https://www.e-stat.go.jp/

 ここでのインフレ率は、消費者物価指数の前年同月比としています。まずは時系列をそのままプロット。
 狂乱物価時代と言われた1970年代が飛びぬけてインフレ率が高いですね。そして、1990年ごろから続く失われた30年は0%近傍をフラフラ。これが0成長を続けた苦難のデフレ時代です。

 そして、横軸を失業率、縦軸をインフレ率として散布図を作ると、フィリップ曲線になります。
おー、ちゃんと教科書通りのフィリップ曲線が出てきましたよ。そして、インフレを進行させない失業率NAIRUが、確かに2.5%あたりというのも、このグラフから見て取れます。2024年現在は、ちょうどこの辺りにいて、インフレ率は3%。良い感じじゃないですかね。

 続いて米国です。 元データは、米個人消費支出(PCE)https://fred.stlouisfed.org/series/PCE 
失業率はこちらです。https://fred.stlouisfed.org/series/UNRATE
インフレ率は、PCEの前年同月比で算出しています。

  まずは米国の失業率とインフレ率の推移です。
 日本に比べると、変動が大きくダイナミズムがあります。コロナショックが米国経済に、とんでもないインパクトがあったことが分かります。それに比べると、日本はコロナ禍を上手く乗り越えられたんですね。。。

 そして、米国のフィリップ曲線です。

 んー、なんじゃ、こりゃ。失業率の変動が大きいからなのか、インフレ率の変動が大きいからなのかグチャグチャで見にくい。年代が移るとインフレ率がだんだん下がってきています。現在の米国のNAIRUは4%ぐらい、失業率が3.5%ではインフレが進行してしまう、といった所ですか。2024年は失業率は4%、インフレ率は5%。歴史的に見て、そんなに悪くないんような???
 あっ、直近のコロナ禍でのインフレがあったから、物価が高止まりしているのか。だから問題なんだ。

 自分で失業率とインフレ率からフィリップ曲線を描くことで、思う所は色々。30年のデフレ、どうしてもっと上手くやれなかったのか。結局、失業率が高止まりだったのが問題。円高を放置して、海外に製造業が移転して、そして氷河期世代を生み出した。その一方で低賃金で働く海外からの労働者を招き入れて、デフレを定着させてしまった。

 コロナ禍とウクライナ戦争を切っ掛けに、ようやく日本はデフレから脱却しつつあるけど、日本経済に立ちふさがる目下の脅威は移民と社会保険料。移民が人手不足を阻害して、際限なく上がり続ける社会保険料負担が、企業の雇用の意欲と個人の所得を失わせて、またデフレに引きずり込まれないか、不安です。
 正しい金融経済政策が力を持つには、多くの人が正しい認識を共有していくことだと思います。テレビでは、フィリップ曲線なんて中々出てきませんけど、こうして見ると、今、日本経済がどこにいるのか、一目瞭然です。是非是非、活用していきましょう。

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